アンカーボルトは建物と基礎コンクリートをつなぐ、建物構造上とても大切な部品です。アンカーボルトは、社団法人日本鋼構造協会規格(JSS)で定められています。
某1級建築士によるマンション等の建物の構造計算書偽造問題(耐震偽装問題)が明らかになった事件は、まだ記憶に新しいと思います。
地震の多い日本において、建築基準法に定められた耐震基準を満たさないマンションやホテル等が建築されたことは、そこに滞在する人々の命を脅かすものであり、決して許されるものではありません。建物がしっかりと安全であって初めて、そこに滞在する人は安心するわけです。
建物を建てるうえで、アンカーボルトは建物と大地をつなぐための大切な部材で、基礎コンクリートに埋め込んで使用するボルトになります。
建物の柱や壁などには、地震や台風の自然災害の際に水平や垂直方向に強い力が働きます。建物の基礎コンクリートがしっかりと構築されていても、アンカーボルトがしっかりとしたものでなければ、アンカーボルトが引き抜けたり、アンカーボルト自身が破断してしまいかねません。そうなると建物の倒壊につながってしまいます。アンカーボルトは、建物と基礎コンクリートをつなぐ重要なものなのです。
アンカーボルトの規格は、社団法人日本鋼構造協会規格(JSS)によって定められています。
アンカーボルトの種類として、形状はL型、J型などがあります。太さは、M12/M16/M20/M22/M24/M27/M30/M33/M36等があります。長さは、太さによって様々があります。材質は、一般構造用圧延鋼(JIS G 3101)のSS400・SS490、あるいは、建築構造用圧延棒鋼(JIS G 3138)のSNR400A・SNR400B・SNR490B等があります。
建築構造用圧延棒鋼(SNR鋼)は、耐力や地震時に必要となる伸び能力、溶接部の性能が、従来の一般構造用圧延鋼(SS材)より優れており、強度も強くなっています。
アンカーボルトは、ボルト1本とナット4個、座金1枚が1組のセットになっています。
建築構造用アンカーボルトのねじ加工には、転造ねじ(ABR)と切削ねじ(ABM)があり、M16〜M48までは転造ねじ、M24〜M100のサイズは切削ねじにて規格しています。
アンカーボルトは、建物と基礎コンクリートとをつなぐ重要な部品です。
建築構造物の柱脚は露出形式柱脚、根巻き形式柱脚、埋め込み形式柱脚があります。JSSの建築構造用アンカーボルトの規格は露出柱脚に使用するものです。露出形式柱脚は、他の2種類の柱脚に比べて構造が簡素で、コストも安く出来る特徴があります。
アンカーボルトの役割としては、地震時等によって生じる露出柱脚部の大きな歪みを塑性変形で吸収することになります。
アンカーボルトの必要な耐力は、設計条件に応じて決まります。耐力は柱脚が変形する前の剛体としての耐力と、柱脚が塑性変形して最終的に破断する耐力があり、これらの耐力は露出形式柱脚各部の設計条件によって異なるからです。
露出形式柱脚に使用するアンカーボルトは、軸全体が伸びて地震時の歪みを吸収させなくてはなりません。建物が10階以下程度では、地震時に塑性化して伸びる部分がボルト軸径の20倍以上あれば、地震時の歪みを充分吸収できるといわれています。